
同軸コネクタ「KPC」シリーズ
お客様のご要望に合わせて、各種スタブやレセプタクルを設計・製造いたします。
スタブ、レセプタクルの例、YAG溶接の様子を示します。


当社の長年培ってきた精密加工技術に同軸接続・支持部の電気的不連続最小化解析技術を加えて開発した、IEEE 287準拠の精密同軸コネクタです。
フィールド(計測・試験用途)向けのアダプタとデバイス・コンポーネント向けのランチャー等、バリエーションも豊富に取りそろえております。
更に、IECではまだ標準化されて間もない(IEC 61169-65は本年1月発行)状況でり、IEEE 287はリリース前である中で、E帯(60~90GHz)の新たな製品の先行開発を行う企業様に使い勝手の良いKPC135をリリースしました。
精密同軸コネクタ「KPCシリーズ」について
マイクロ波/ミリ波と同軸コネクタ
一昔前はマイクロ波やミリ波の伝送路は導波管が一般的でした。
一般的に同軸線路は周波数が高くなればなるほど伝送損失が大きくなる特性があります。世の中の技術が進んで,低損失な誘電体を使った同軸線路や,より高精度な加工が可能になる精密工作機械などが世の中に普及してきたため、次々と
高い周波数で利用できる同軸コネクタが標準化されてきています。
さて、ミリ波帯まで使用可能な同軸コネクタとしては,IEEE(米国電気電子学会)の標準で定められている規格の精密コネクタが一般に知られています。
具体的には,上限周波数 26.5GHzの3.5mmコネクタ、40GHzの2.92mmコネクタ、
50GHzの2.4mmコネクタ、65GHzの1.85mmコネクタ、そして 110GHzの1mm
コネクタなどがこのグループに属しています。
なお、2.92mmは「Kコネクタ」、1.85 mmは「Vコネクタ」という名称で呼ばれることがありますが、これらはいずれも米国Wiltron社[現:アンリツ㈱]の商品名であり、一般名称ではないことにご注意ください。
そのほかのマイクロ波/ミリ波用同軸コネクタとしては,米国のMIL規格で定められたN型コネクタやSMAコネクタ,プッシュオン・タイプのSMPコネクタや
SMPMコネクタがあります。N型やSMA型は一般的に普及している無線機器で
広く使われております。

<写真☝> マイクロ波やミリ波で使われる同軸コネクタ
当社では、長年培ってきた設計技術と高度な製造技術により、高精度・高性能の
同軸コネクタを実現しております。
<表> 同軸コネクタの種類と当社の型番

注:上限周波数(一般値)は、個々のメーカーにより異なります。
IEEE準拠の精密コネクタ
中心導体の耐久性
ほとんどの同軸コネクタは、中心導体が摺動し外部導体がネジ留めで相手方と篏合するのが一般的です。普通に使っていれば、繰り返し篏合することによって摩耗が起きるのはこの2ヶ所です。ネジ部分については規定のトルク値で締め付けている
限り、そう簡単に壊れることは考えられません。中心導体も、普通に使っていればメス・コネクタのソケット部分が開いたり、オス・コネクタのピンが折れたりすることはまずないと思います。ただし、仮に篏合できるコネクタの組み合わせで合っても、規格外のコネクタを差し込んだりすることは想定していません。例えばSMAコネクタと精密コネクタのKPC350は、篏合できてしまいます。
SMAコネクタは安価なため多くの場面で使用されていますが、設計・製造がラフなため特性はKPC350と比較してかなり差があります。
更に、部品としての製造精度が異なるため、篏合させることにより、最悪の場合はKPC350を壊してしまうこともありますのでご注意下さい。
IEEEの精密コネクタ標準と挿抜試験
IEEEの精密コネクタ標準では、嵌合の繰り返しによるライフサイクルは2000回から5000回以上と定められています。それだけ抜き挿しを繰り返しても電気的特性が変わらないことが求められています。当社では、中心導体の挿抜を10000回繰り返し、その前後における電気特性を比較した実験をしております。
